耐震診断

購入物件、耐震性能は大丈夫?

熊本地震から学ぶ 耐震基準と倒壊率

平成28年(2016年)に発生した熊本地震においては県内では甚大な被害を出しました。その後国の調査機関は益城町中心部を調査。対象となった旧耐震基準(1981年5月以前建築)の木造建物702棟のうち225棟が倒壊。新耐震基準(1981年6月以降建築)の建物も1,042棟中80棟、益城町中心部周辺も含めると99棟が倒壊していることが判明しました。

この結果から新耐震基準の倒壊率は、旧耐震基準の倒壊率を大きく下回りますが、倒壊率7.7%の数値は、絶対安心とはことがわかります。

1981年に建築基準法が改正されたことから、1981年より前を旧耐震、以降を新耐震として分類している。さらに2000年に耐震基準に関連する告示が追加され、現行耐震基準と呼ばれ、少し複雑になっています。このため、現行の基準を満たしているものは、2000年以降に建てられた住宅となる。つまり、1981年~2000年の間に建てられた住宅は、新耐震と呼ばれながらも、中には現行の基準である2000年基準を満たしていない、いわば、既存“耐震”不適格の住宅があるという状態です。

  • 旧耐震基準の倒壊率:32.1%    
  • 新耐震基準の倒壊率:7.7%

耐震基準とは?旧耐震基準と新耐震基準の違い

耐震基準とは?

耐震基準とは、建築基準法や建築基準法施工令などによって定められた、建築する建物が最低限満たすべき地震への耐性基準のことです。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

1981年に新耐震設計基準が制定されたのを機に、それ以前の耐震基準を「旧耐震基準」と呼ばれるようになり、新耐震基準とは区別されるようになりました。以下の表は旧耐震基準と新耐震基準の違い示したものです。

耐震基準の呼称地震の規模による倒壊建物の建築確認日
旧耐震基準震度5強程度の中規模地震では倒壊しない1981年5月31日以前
新耐震基準震度6強~7程度大規模地震では倒壊しない1981年6月1日以降

旧耐震基準(1950年制定)

1950年(昭和25年)に制定された旧耐震基準は、震度5程度の中規模の地震で、建物が大きな被害を受けないという基準で定められています。想定される被害は、建物が破損したとしても補修すれば再び生活が可能になる程度です。しかし、震度6以上の大地震が起きた場合には、旧耐震基準を満たしているだけでは倒壊する可能性が高くなります。耐震改修促進法が改正された現在は、旧耐震基準に基づいて建てられた建物は耐震診断を受けることが義務化されています。

新耐震基準(1981年制定)

1981年(昭和56年)に制定された新耐震基準は、震度6強~7程度の大地震でも建物が倒壊しないように定められた基準です。壁にひびが入る、配管が壊れるなどの被害はあり得ますが、大規模な被害は生じません。新耐震基準は、旧耐震基準の安全基準を大幅に強化したものです。1978年の宮城県沖地震による深刻な被害の反省などから、基準の見直しが行われました。

現行耐震基準(2000年制定)

2000年(平成12年)に制定された現行耐震基準は、新耐震基準に加えて基礎形状(地盤)の仕様が明記されています。地盤調査が事実上の義務化になっていることが特徴の1つです。また、壁量、壁の配置バランス、接合部などの条件も明確化されました。これらは従来、設計担当者に任されていましたが、法律によって規制されるように変わっています。中古物件の情報サイトなどでは、2000年6月以降に建てられた建物が推奨されることがあります。これは現行耐震基準で建築されたことを意味しており、安全に暮らし続けられる指標となります。

現在の住宅を調査 9割が耐震不足?

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合は近年実施した1万1,121件の耐震診断をもとに、「木造住宅の耐震診断に関する調査データ」を発表。診断の結果、現在の耐震基準に適合しない住宅(総合評点が1.0を下回る、いわゆる耐震性が不足している)が89.47%を占める結果となった。

新耐震基準のうち1981年から2000年までに建築された住宅は、現行の基準に比べると耐震性が低くなります。2016年に発生した熊本地震では、約2割が倒壊もしくは大破しており、耐震診断・補強の必要性が高いことが分かります。

中古住宅の購入前に耐震診断を

耐震診断は、既存の建物が保有する耐震性能を現行の耐震基準と比較し、想定される大規模な地震で倒壊しない耐震性(強さ)があるか判定いたします。

耐震診断の結果、耐震性が不十分であった場合は、改善ポイント・具体的な対策・おおよその費用など依頼者の必要に応じて説明を行う。

アース・インスペクションの「耐震診断」

耐震診断(一般診断法)とは?

何をするの?

耐震診断とは建物の構造等を調査し、耐震性の検討・評価を行う。ご依頼者様の要望に応じて耐震補強案及び概算工事費等も検討致します。

だれが、どのように?

耐震診断は、弊社診断士(建築士)が、一般診断法(非破壊診断)にて調査を行い耐震診断書を作成します。耐震診断の結果は、総合評点に基づき4段階で評価します。

一般診断法とは?

木造住宅の一般診断の主な目的は、耐震補強の必要性の有無を判断することとなっています。診断は原則、極めて稀に発生する大地震での倒壊の可能性について実施され、その可能性の有無は建築基準法で求められる水準により判断されます。診断結果は、地震に耐えるために必要な耐力と、建物が実際に持っている耐力とを比較した評点として数値化されます。

一般診断法と精密診断法の違い

耐震診断には、大きく分けて「一般診断」と「精密診断」の2つがあります。それぞれ特徴について申し上げます。

一般診断

一般診断法は現在の建物の耐震性を知るために行う調査。建物の状態を目視にて確認し、図面と照らし合わせ建物の強度を判断します。

精密診断

精密診断法は必要に応じて壁や天井などを剥がし内部の構造を確認し、改修の必要性の最終的な判断を行うことを目的とした診断方法です。

4段階評価とは?

総合評価
1.5以上倒壊しない
1.0以上〜1.5未満一応倒壊しない
0.7以上〜1.0未満倒壊する可能性がある
0.7未満×倒壊する可能性が高い

なぜ耐震診断が必要なの?

淡路大震災で亡くなられた方の約8割が建物の倒壊による圧迫死や窒息死ことが報告されています。大地震から自らの生命・財産等を守るために、先ずは住宅の耐震性能を把握し、必要に応じた耐震工事を行う事はとても重要です。

耐震診断の費用は?メリットは?

かかる費用と抑える方法

耐震診断には、一般診断法と精密診断法の2種類があります。精密診断法では見えない箇所を一部壊して調査を行いますので費用も割高となります。私たちは非破壊調査で、一定の精度を確保できる「一般診断法」を推奨しています。

一般診断法による耐震診断の料金
延床面積料金(税込)
〜100㎡44,000円
101m2〜120m250,000円
121m2〜140m260,000円
140m2超え60,000円+500円/m2

料金に含まれるもの

  • 一般診断法による調査
  • 詳細な報告書
  • 交通費(千葉県内無料)
  • 消費税

オプション

  • 図面が無い場合の一般診断法による調査
  • 補強設計
  • 精密診断法による調査

メリット

耐震診断の結果、基準に適合していれば「耐震基準適合証明書」の取得が可能。取得には費用が発生しますが、優遇税制や補助金などそれを超えるメリットがあります。

  • 10年間で最大400万円の住宅ローン減税
  • 登録免許税の減額
  • 不動産取得税の減額
  • 固定資産税が半額に(建物に対してのみ)
  • 地震保険10%割引

同時割引で料金半額

インスペクションと同時調査

耐震診断はデスク上の作業と現地調査の作業があります。デスク上では設計図を元に建物が保有する耐力等を公認プログラムを使い評点計算を行います。

現地調査においては設計図通り施工されているか、基礎や構造部の状況を床下や小屋裏などから目視、劣化や腐朽の有無を確認し建物が保有する耐力の影響を調べる作業です。

耐震診断の現地調査は、基礎や土台、柱、梁などの耐震性に関わる部位を確認するインスペクションの調査と共通箇所が多々あり、同時割引を可能とします。

インスペクションとセットの耐震診断料金
延床面積料金(税込)
〜100㎡22,000円
101m2〜120m225,000円
121m2〜140m230,000円
140m2超え30,000円+500円/m2

料金に含まれるもの

・一般診断法による調査
・詳細な報告書
・交通費(千葉県内無料)
・駐車場代
・消費税

オプション

・図面が無い場合の一般診断法による調査
・精密診断法による調査